〜脳卒中の日記風〜
ボクの個人的な体験

ボクの最悪期を（仮に）体験したい人の為に

＜目＞
明るさは、夜が白々と明けてくるぐらい。
天井はグラグラ、カーテンレールはダブって見える。
文字を大きく書いた「文字板」も、
隣りの文字とダブってしまう。

＜口＞
２ヶ月間、食べなっかた。
痰で、ガバガバしていたけれど、
看護婦さんはそれをピンセットで取り除いていた。
歯と歯が噛み合わない。
力を入れてようやく右の歯がかするぐらい。
はんぺんを「カタイ」と感じ、
カタイ物は飲み込めないし、よくむせる。

＜鼻＞
ニオイは全然分からない。
ハッカのニオイを、
なぜだか口で感じている。
でも、ニオイが分からないことさえ分からない。

＜耳＞
左の耳は聞こえない。
右の耳も決して良くはない。
雑音がする。
中耳炎を患ったことのある人には、
案外分かり易いのかもしれない。

＜首＞
頭が重くて枕からは上げられない。
位置を変えたくても無理なので、
人任せにならざるを得ない。
２ヶ月ぶりにベットから起き上り、
車椅子に座った時も、
首はまるですわらない。
今にもゴリンと外れそうだ。

＜腕＞
思ったところに腕がない。
動かしたつもりなのに動いてない。
これがホントに自分の手？

＜足＞
これも感覚がない。
ベットから落ちていても、
どうにも仕様がない。
声も同時に出ない訳だから…

＜声＞
２ヶ月出していなかった。
気管切開したから。
そして、やっと出るようになると、
ろれつがまわらない。
スキー場でかじかんだ感じ。
東北弁がよく似合う。

以上、’９９．５．９．日記より

＜参考までに＞
お医者さんの所見（父親のメモより）
実際の病状報告は、１０／８に行われたようだ。
・ 脳出血
・ 脳内出血は現在までで３回
・ しゃっくり
・ 呼吸困難、痰咳
・ 高熱続く（４０度以上の発熱）−＞　肺炎の可能性あり
・ 昏睡状態