〜脳卒中の日記風〜
気管切開の手術

’９８．１０．５．
気管切開はこの日行われたそうだ。
なんとも他人事のようだが、
日付感覚がまったくないから、
こう言うしか方法はない…

お医者さんに
「呼吸をしやすくするために、
喉のところに穴を空けます。」
と言われたのは、
果たして、この日の朝のことだったろうか？
「ここはもう手術室なのかぁ！？」
と思ったように記憶している。
でも、喉に穴を空けるんだよ。
喉に…

酸素マスクをはずして、
ベットをちょこっとだけ動かして。
あの時はタオルケットを巻いただけの枕だったけど、
それでは喉のところが出ないので、
肩に枕を入れられた。
ちょっとくるしい体勢だが、
声が出ないとどうしようもない。
言葉が出ないって、とっても苦しい…

局部麻酔をお医者さんが射つ。
「ちょっと眠たくなりますよ」
言うが早いか、ボク眠りに落ちていく。
でも、この声は聞き覚えがある。
以前、血管撮影をした時に会っているはずだ。
そう思いつつ、どうする訳でもなく…

どれくらい眠ったのであろうか？
どのくらいの時間が経っているのだろうか？

口の管が外れてすっきりしたという感覚は、
残念ながら、
全く無い。
覚えてもいないというのが正確か。
喉のところを切開したのだとは思ったけれど、
自分で見ることが出来なかった訳で、
今もってどんなことになっていたのかは分からない。
頭を枕から上げることすら叶わなかったのだ…
こんなことになるなんて！