〜脳卒中の日記風〜
緊急入院

’９８．９．２２
朝起きる。
いや正確には、目が覚めた。
でも、ボクは起き上がれない。
「？」
親を呼ぶ。
しょうがないので、救急車も呼ぶ。
なんだかとても恥ずかしい。
そんなことはいってられないのだが、
近所の人はどう思うだろうか。
ストレチャーに乗せられて、救急車に乗せられて。
我が家にしばしのサヨウナラ。
未だ朝７時前。
ラッシュの車のあいだをすり抜けて行く。
車窓から見えるのは、
しかし、ただただ雲ばかり。

病院に担ぎ込まれ、ＣＴを撮って、
診察室に寝かされた。
お医者さんに質問をされて、
答えるんだけど、ろれつがまわらない。
「脳幹部の橋というところに出血がある。」
脳内出血っていうことか！
「うちの病院にベットがある。」
ということで、即入院。

ボクのベットは窓際に。
そういや、ここまで家のパジャマだった。
病院には病院のものがある。
点滴なんて初めてだ。
酸素マスクも初めてだ。
「会社への連絡は任せておいて、
あんたは静かに寝てなさい」と親が言う。
そう、誰も知らないんだ。
ボクだって信じられない。

ところで、目覚めてこの方トイレへ行ってない。
でも、トイレには行けない、
なんてったって歩けないから。
そこで尿器、尿瓶の登場。
でも、ベットの上で、
しかも、看護婦さんに見守られながら。
無理だ。そんなこと出来ないよぅ。
結局、管を使う。導尿をする。通称バルーン。
なんか妙な気分だ。

食事は出ないけど、食欲もない。
ボクはお腹すら空かなくなってしまった。
点滴はボクに栄養を与えてくれているのかしらん。
点滴が合わないと、すぐ湿疹が出る。
「ココかゆくない?」
と問われれば、とてもかゆい。

みんなと会えるのはいつだろう…
でも、一週間ぐらいで済むと思っていた。
アマカッタ。
全然…アマカッタ。