〜脳卒中の日記風〜
散髪

髪の毛が伸びた。
３ヶ月だものね。
伸びるわけだね。
どうしようもなく長い。
髪の質がカタイので、伸びるとボワッと広がる。
ただでさえデカイ頭が、よりデカク見える。
この病院でもベット上での洗髪のために、
部分的には切ってもらったことがあるんだけれど、
床屋となると９月の初めに行ったきり。

髪を切る「ビューティー・ヘルパーさん」なる人が、
病院へ月初めの木曜日に出張してくるらしいのだが、
今日は電話で、特別にわざわざ呼んでもらった。
廊下にビニールの敷物を広げ、
その上に車椅子に乗ったボクが乗り、
体を床屋のビニールのマントですっぽり包まれて、
さぁ、これから始まり始まり。

けれど、この頃のボクには２つの欠点があった。

１つめは、円脱（円形脱毛症）がある、
というか、そうなっちゃっているので、
ハデに切れないこと。
側頭部から後頭部にかけての３〜４ヶ所。
長い間枕にへばりついていたところに汗の塩分が溜まって出来たとか、
ストレスのせいだとか、
薬のせいだとか、
尋ねる人によって答えはマチマチなのだが、
原因はどうあれ、現に穴が開いている。
若干チョロチョロとは生えてきているらしい。
「気にしなくとも、次第に無くなるわよ。」
でも、これも自分では見られないので、とてももどかしい。
脳の中の出血に始まって、
なんだか自分で見られないものばかり。
隠れるようにうまく切って欲しいなぁ。

２つめには、精神的に緊張すると笑ってしまうこと。
「ウフフ、ウフフ…」って。
自分では止められない。
逆に気にすれば気にするほど笑ってる。
何でなんだろう？
やっぱり神経の問題か？
みんな神経のせいにしてしまっては可哀相かな？
「笑うと思うんですが、気にしないで下さい。」
自分で言いいつつ「そりゃ、無理だよなぁ」とも。
最悪なのは「髭剃り」。
カミソリをあてられて、いちいち「ウフフ、ウフフ…」。
自分ではどうにもならないし、いったいこれは何なんだ！
さぞ、髭を剃りづらいだろうなぁ…と考えてみたりもする。
「ご気分いかがですか？」と尋ねられる。
だから平気なんだってばぁ！
ただ、ただ、笑ってしまうボクなのです。

でも、なんだかんだで無事終了。
あぁ！サッパリした！