リハビリ病院

＜募金犬ジローとお父さん＞

写真を見せてもらう。ジーンズを着て、バイクに二本足で、すっくと立って
いるジローに出会う。かわいいやつだ。阪神・淡路大震災等の募金活動
中の写真。そのお父さんとともに全国をまわっていた。

ところが、旅の途中で、お父さんは脳卒中に倒れてしまう。知人宅に預
けられたジロー。そうジローは、見知らぬ街で、突然に主を見失ってし
まったんだ。ニオイも無く、手掛かりは無し。でも、ジローはお父さんを見
付けたかった。そして知人の家を飛び出した。

事件は事件を呼ぶ。交通事故…下半身を轢かれる。大怪我。

運命は、しかし、不思議な道を歩む。ジローは心ある人に助けられ、手当
てを受け、そして、その人はある話を耳にする。募金犬の話。募金活動に
勤しんでいるハズのその犬が、何故ココに？しかも、大怪我をして。

事の次第が明らかになってくる。お父さんの自宅と連絡がつく。
その頃、お父さんは、どうしていたか？
必死のリハビリをしていた…ボクの隣の病室にいたんだ。

車椅子のジローと片麻痺のお父さん。久々に二人は再会を果たした。
ある晴れた、初夏の日に。